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服のアップサイクルは環境問題の救世主となるのか

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服のアップサイクルは環境問題の救世主となるのか

2022.02.08

毎日当たり前のように私たちの生活の中から生れ出る「ゴミ」の廃棄には、時間と金が消費されています。

 

それに伴い、処分場不足による不法投棄や違法な輸出などの情報もニュースで取り上げられることも多く、日本でも深刻に問題視されるようになりました。

 

資源を大切にすると共に、個人が捨てない、無駄なゴミを出さないエコな循環社会を目指し、リデュース・リユース・リサイクルの3Kが日本でも推進されています。

 

最近では服のサステナビリティ(持続的・持続性)、アップサイクルが提案されるようになりました。

 

耳にしたことはあっても、言葉だけがひとり歩きしてしまい「意味をとらえきれていない」方もいるのではないでしょうか。

 

今回は「衣類のあり方」を考える、アップサイクルとは何なのかをご紹介します。

 

新たな視点から、古くなった服の捨て方や環境との関りを考えてみましょう。

 

 

アップサイクルとは

 

デザインが古くなった服、破れやほつれがある服は、リメイクして新しいものに変化させられます。自分で古着をリメイクするなどの取り組みが増えて廃棄される服が減ることはとても重要なことです。ですが、使われない端切れは不用品として捨てられます。

 

同じように、デザイン・縫製された服は、店頭に並んで販売されますが、端切れや糸くずなどはゴミとして捨てられ処分されていくのです。

 

普通に考えて「価値がない」ものも、アイディア次第で新しいモノへと変貌させ「価値のあるもの」に生まれ変わることを、アップサイクル(up cycle)と呼びます。

 

リメイクとの違いは「資産価値があるもの」「商品として魅力を感じられるもの」にするということです。

 

例えば、個人が持っている服を使用して手作りポーチを作ったり、バッグなどのアイテムに作り変えるのはリメイク。

 

自分自身がデザイナーになり、型にはまらない、自由な発想で物づくりができます。

 

廃棄物を利用して糸を作り繊維にして服やバッグを作ったり、捨てられる服やデッドストック品の布を使ってエコバッグを作るなど、無価値なものに命を拭きこむことで商品としての価値を高めるのがアップサイクルです。

 

ファッション業界は現在、世界のCO2排出量の約10%を占めていて、これは農業のCO2排出量とほぼ同等なのです。

 

SDGsに繋がるアップサイクル

 

廃棄物を原料に戻してから商品化することをリサイクルといいます。

 

誰でも持っている人気の「フリース」がペットボトルから作られている事は有名ですが、このように原料にして再利用するためには、たくさんの工程が必要ですから時間とお金がかかります。

 

製造過程で廃棄されるものを使い、別の製品として生まれ変わらせれば、1つのものから何種類もの製品を作り出すことも可能です。

 

このアップサイクルを日本の企業が積極的に取り入れることで、ニュースで話題になるSDGs項目の「産業と技術革新の基盤を作ろう」と「つくる責任つかう責任」をクリアできると考えられます。

 

アパレル業界でもアップサイクルされる理由

 

日本総研による「環境省 令和22年度 ファッションと環境に関する調査業務」では、2020年に国内で供給された衣類は81.9万トン。そのうち、78.7万トンが廃棄処分となっています。

 

一般的に、人気の商品でも売れ残った商品は値下げされて在庫処分されます。問題となるのは、家庭内から出る廃棄物です。

 

アパレル会社内でのリサイクルやリユースも行われていますが、コロナ禍にて外出ができなくなったことで搬出量が激減し、家庭内での廃棄が増えているのが現実です。

 

また、ファストファッションの流行によって、短期間で商品を大量仕入れ販売するために在庫が余り廃棄に繋がっています。

 

ファッション産業で問題となるのは商品在庫だけでなく、商品になる前の生地やその端切れです。

 

このように廃棄処分となるものを再利用する働きは、各アパレル企業によって様々なプロジェクトがスタートしています。

 

海外では、不要な布や端切れを回収する「ファブスクラップ」を利用した服の生産に、有名人気ブランドが参加。

 

国内では、自社のデッドストック品をクリエイターやデザイナーによってアップサイクルされたり、アップサイクル商品の販売サービス、サスティナブルブランドを立ち上げるなど製品化も進んでいます。

 

このように、今後はアップサイクルされた服がアパレル企業から多く提供されるようになるでしょう。

 

 

Nercocia.が取り組むアップサイクル

ハトムギからウェアが出来るまで

 

ヨクイニンの別名でも有名な「ハトムギ」は、Nercocia.の製造元「株式会社ミヤモリ」の本拠地富山県が生産量で日本一を誇ります。

 

富山県には多くのハトムギ農家があり、県内の「ハトムギ」漢方ヨクイニンの原料は富山産です。

 

ハトムギを精米すると「ぬか」が抽出されます。米ぬかは、石鹸やぬか漬け入浴剤、掃除用具に肥料など使い道がありましたが、ハトムギのぬかは用途が見つからず、廃棄処分されていました。

 

この「ハトムギぬか」は米ぬかよりも栄養価が高く、豊富なミネラルやタンパク質が含まれています。この「ハトムギぬか」のアップサイクルを考えたのが、株式会社ミヤモリを含む地元企業です。

 

株式会社ミヤモリでは、ハトムギの成分を贅沢に含んだ精油を取り出すことに成功した会社です。この「ハトムギぬか油」は、世界で初めて化粧品登録されました。

 

株式会社ミヤモリでは、このハトムギの栄養分が凝縮されている「ハトムギぬか油」にシアバター・オリーブオイルなど、保湿力に優れた成分を加えたものを繊維加工し、保湿ウェアNercocia.の開発にも成功しています。

 

肌触りの良さはもちろんのこと、着用することで肌に潤いを与えますので、乾燥から肌を守り肌トラブルの予防にも繋がります。

 

アップサイクルから生まれた Nercocia.の服は、特殊技術により洗濯を繰り返しても効果が変わりにくくなっています。

 

生地が長持ちするだけでなく、保湿効果の持続性のある服は人に優しく「付加価値が高い」アップサイクルな服に違いありません。

 

このように、サスティナブルな服を取り入れ、環境問題を肌で感じられるようにしていくことが大切になるのではないでしょうか。

 

株式会社ミヤモリでは、Nercocia.の他にも「産業用ロボットウエア」、スクリート(学校用の体操服)を提供するなど、今後もアップサイクルに注目し、持続可能な社会の実現に取り組み地球環境に配慮しながら地球の未来を考える会社として飛躍していきます。